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桜の季節 [job]

Boa noite

 

佐久地方は 桜が見ごろです
しかし 例年 この時期は雨が降り 風が吹き
見ごろも ホンのわずか・・・

晴れは日の桜は 白く
雨の日の桜は ピンクが浮き出て
天気の良し悪しに関係なく 心を穏やかにしてくれますね

 

今日も 臥床傾向にある患者様を 車椅子へ移乗し
散歩にとリハビリ室まで

「立ってみましょう」と声をかけ 目に前に見えた桜をみて
深く感動をされておりました

桜は 不思議な力がありますね

 

この季節になると 思い出すことがある

1件の リハビリ処方

ガンのため 余命は1-2週間

医師コメントは"可能な限りご本人の希望を叶えてあげてください"
であった

年齢は 50歳代 私の父とほぼ同年代
一人子の娘さんが献身的に看病をしていた

脚はパンパンに腫れ上がり 皮膚は硬く 関節は脚が開いたまま動かず・・・
何とか 気力だけで 生きている・・・  そんな感じであった

「車椅子に乗りたい」 一番の希望

大きな身体を そして 硬く固まってしまった脚をどうにかこうにか伸ばし
車椅子へ
体力もなく 短時間しか乗車が許せない中
病院玄関先の桜の木の下へ
ちょうど蕾が開こうとしている時期であった

"もう少しで 桜咲きますね! 桜咲いたら またここに来ましょう!"
と約束

しかし その翌日より体調は著しく悪化
触れるだけで痛む脚を ゆっくりと擦ることだけしかできなかった

無力・・・

思いはあるが してあげられることが見つからず・・・

あれから数日経ち
桜も見ごろを迎えた

「また 乗れるかなぁ」と 私に聞いた言葉
"明日 車椅子乗りましょう!" と約束
スタッフにお願いし 数名の力を借りて 車椅子乗車の予定を立てた

そんな身体の状態ではないのに・・・

翌日 部屋に伺うと 危険な状態との話

私は 急いで 桜を写真に収め プリントし
家族のもとへ


"約束した桜・・・ まだみれるかなぁ"と
娘さんに 差し出した

そして その数時間後 彼は息を引きとった

彼は 桜をみれたのだろうか・・・

悲しくて悲しくて その後家族には会えず・・・

 

この季節になると 人々の注目の的である "桜"

 

ただ 病院の桜を見上げるたびに
その頃のことを思い出す

 

             ・・・ Ate logo


タグ: 約束 余命
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えどもん

きっと、見ることができたことでしょう....
by えどもん (2011-04-28 16:54) 

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